数学ll 微分編② 平均変化率と微分係数
前回に引き続き今回も微分編の続きをお話ししていこうと思います!(^^)!
それでは,早速新しい内容に入っていきます!
前回同様お手元に紙とペンをご準備の上読み進めてください(^^)/
本日お話しする流れです!(^^)!
平均変化率とは
この節では、平均変化率という単語について説明していきます.微分分野の基礎となる考えですのでよく覚えておきましょう!(*'▽')
下の図から直線ABの傾きを求めてみましょう(^^♪
\(\frac{f(b)-f(a)}{b-a}\)で簡単に求めることができますね.
このときの直線ABの傾きをx=aからx=bまでの平均変化率といいます.
練習問題
関数\(f(x)=x^2-3x+4\)について,各x座標の組における平均変化率を求めよ.
(1)x=0からx=3まで
(2)x=-2からx=1まで
(3)x=-1からx=4まで
解答
(1)x=0からx=3までの平均変化率は
\begin{align}\frac{f(3)-f(0)}{3-0}&=\frac{9-9}{3}&=0\end{align}
(2)x=-2からx=1までの平均変化率は
\begin{align}\frac{f(1)-f(-2)}{1-(-2)}&=\frac{2-14}{3}&=-4\end{align}
(3)x=-1からx=4までの平均変化率は
\begin{align}\frac{f(4)-f(-1)}{4-(-1)}&=\frac{8-8}{5}&=0\end{align}
微分係数とは(※重要)
さっきまで問題を解いて理解した平均変化率をさらに応用したものが「微分係数」です.少し難しい内容ですが,図とともに見ていただけるとより理解が深まると思います!さきほどのグラフとの違いはx=bをx=a+h,つまりaから左にhだけ進んだx座標としたところです.
これまでと同様にまずはこの図からx=aからx=a+hまでの平均変化率を出してみましょう.
\[\frac{f(a+h)-f(a)}{(a+h)-a}=\frac{f(a+h)-f(a)}{h}\]
もし、ここで点Bが点Aに近づいていくと平均変化率はどうなるでしょうか?
点Aに近づくということは2つのx座標の差hが小さくなることと同じ意味ですね.
もう少しグラフでイメージしてみましょう.
2番目のグラフではhが0となることで点Aと点Bが重なるようになりましたね.
つまりこの時直線の傾きは点Aにおける接線の傾きであると解釈できるのです.
ここで点を近づけるという考えは前回行った極限の考え方と同じです(*'▽')
それでは、ここでポイントとして一度まとめておきましょう.
\(f'(a)=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}\)で定義される\(f'(a)\)をx=aにおけるf(x)の微分係数といい,これは関数f(x)の点A(a,f(a))における接線の傾きと等しい.
ここで解き方の手順を知るために例題を1つ用意しました!ぜひチャレンジしてみてください!(^^)!
解答
(1)\begin{align}f'(2)&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{f(2+h)-f(2)}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{(2+h)^2-2^2}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{h^2+4h+4-4}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{h^2+4h}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{h(h+4)}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}(h+4)\\\\&=4\end{align}
(2)\(x=2\)における接線の傾きは\(f'(2)\)と同値なので4である.
解答
(1)\begin{align}f'(2)&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{f(2+h)-f(2)}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{(2+h)^3+1-(2^3+1)}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{h^3+6h^2+12h+8+1-9}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{h^3+6h^2+12h}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{h(h^2+6h+12}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}(h^2+6h+12)\\\\&=12\end{align}
(2)x=0における接線の傾きは微分係数\(f'(0)\)に等しい.\begin{align}f'(0)&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{f(0+h)-f(0)}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{h^3+1-1}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{h^3}{h}\\\\&=\lim_{h\rightarrow 0}(h^2)\\\\&=0\end{align}
よって求める接線の傾きは0である.
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本日はここまでです!
なかなか一回当たりのボリュームが少なくて物足りないかもしれませんが,継続して続けたいという意味で少しずつ増やしていきたいと思います(._.)
次回は微分係数に関連して導関数の定義というものに触れていこうと思います.
ぜひぜひ、多くの読者様の目に渡って下さることを祈って終わらせていただきます.