伝説のグラフ書き面白問題(2000 静岡大 前期) 問題解説
こんにちは、オックーです!2回目の記事ということで、今回は面白い大学入試問題を取り上げました!!初の問題解説投稿ということで、僕の記事では今後問題解説の際に、最初に推奨レベルや重要度、難易度を独断で星を使って表していきます(^^♪
今回の問題は数学好きになってもらうために取り上げた伝説問題です!ぜひ、軽い気持ちで問題にチャレンジしてみてください!
※今回の記事ではとりあえず公式は知っている前提で解法の手順等を紹介していき,次回から今回使った公式の紹介をしたいと思います。
推奨レベル
高校3年生レベル
推奨時間
10分
重要度
★★★☆☆
難易度
★★☆☆☆
2000年静岡県の前期試験入試問題です。「問題を解いてから解説を聞きたい」という方はスクロールする前にチャレンジしてみてください!
関数f(x),g(x)を\[\begin{array}{l}f(x)=\left\{\begin{matrix}\begin{array}{ll}x^{4}-x^{2}+6 (|x|\leq 1) \\ \frac{12}{|x|+1}(|x|> 1)\end{array} \end{matrix}\right.\\\ g(x)=\frac{1}{2}cos(2\pi x)+\frac{7}{2} (|x|> 1) \end{array}\]
で定義する.このとき2曲線y=f(x),y=g(x)のグラフの概形を同じ座標平面上にかけ.
※どうしても解けない人のために解法ステップを作りましたので参考にしてください!
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- 漸近線を考える
- 平行移動を考える
- 基本形の形を考える
- 振幅、周期の拡大縮小と平行移動を考える
step1,3次関数のグラフを微分して増減表をかく
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\[f(x)=x^{4}-x^{2}+6\]
のときこの関数を微分すると
\[f'(x)=4x^{3}-2x=2x(2x^{2}-1)\]
となる。増減表で必要となるx座標はf'(x)=0の箇所なので上式から
f'(x)=0となるxを求めると
\[(2x^{2}-1)=0\Leftrightarrow x=\pm \frac{1}{\sqrt{2}}\]
\[2x=0\Leftrightarrow x=0\]
である。
よって増減表は次のようになる。
※増減表の作り方も時間がある時に記事にしたいと考えています!
x | -1 | ・・・ | 1/√2 | ・・・ | 0 | ・・・ | 1/√2 | ・・・ | 1 |
f'(x) | - | - | 0 | + | 0 | - | 0 | + | + |
f(x) | 6 | ↘ | 23/4 | ↗ | 6 | ↘ | 23/4 | ↗ | 6 |
増減表からグラフの概形がある程度把握できるようになる。
矢印がグラフの増減を表していて、この表から極大・極小値までわかるため
あとはこれをグラフに示すとよいです!(^^)/
実際に関数ソフトを使ってグラフをきれいにかくと次のようになります。
このようにしっかりと増減表通り、定義域の端のy座標は6になっていますね!
step2,分数関数の基本的な形と漸近線を考える
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次にstep2では問題にあった分数関数を先ほどのグラフに付け足していこうと思います!
分数関数のグラフでは漸近線を考えつつ形から入る!
まず、今回問題に出題された分数関数をもう一度みてみましょう!
\[f(x)=\frac{12}{|x|+1} \, \: \: \: (|x|> 1)\]
絶対値が入っているからxが正の時と負の時で場合分けが必要なようにも見えますが、グラフを書くだけなので今回は正の時のみを考えましょう。この理由はポイントとして後で載せておきます。
まず、この分数関数の基本形から考えていきましょう!
絶対値を無視して考えると、基本の形は
\[f(x)=\frac{12}{x}\]
ですね。この関数の漸近線は何でしょう?
答えは分母は0にならないという方針で考えればよいです!
つまりこの場合xが0にならない。すなわちx=0が漸近線だとわかります。今回問題となっている関数の分母はx+1なのでx+1=0にならない。すなわちx=-1にならない関数と考え、漸近線はx=-1だということが分かるのです。
分数関数の漸近線は分母が0にならないを基に考えるとわかりやすい
ここで関数\(f(x)=\frac{12}{x}\)と\(f(x)=\frac{12}{x+1}\)を見比べてみましょう。
こちらを見るときれいにx方向に平行移動され、漸近線が変わっていることが理解できると思います。
最後に絶対値を考慮すると、絶対値は必ず正なので
x座標が負でも分母の値は正となり、y軸より左側では右側と同じような形になることが分かります。次のこともポイントとして抑えておきましょう。
絶対値ががグラフにつくと、負の座標でも正になることがあるため、対称的な
グラフになることが多い。
※ここで多いと言ったのは実際は対照的でないグラフもあるためそう記述しました(._.)
それではstep2の最後にグラフを付け足してみましょう。グラフを付け足してみるとこのような形になりました(^_-)-☆<
step3,cosのグラフと平行移動、振幅、周期を考える
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最後にcosのグラフをかいていきましょう。文cosのグラフは基本的なy=cosxの形から振幅や周期を拡大縮小し平行移動させることで概形を描くことができます。
つまり今回の問題に与えられているcosのグラフは次のstepで考えることができます。
- 振幅を1/2にする(cosxの振幅は2なので振幅は1になる)
- 周期を1/2πにする(cosxの周期は2πなので周期は1になる)
- y軸方向に7/2だけ平行移動する。
以上のことを意識してグラフを書いても不安な場合、数を試しに代入して考えてみるとよいです。
例)\(y=\frac{1}{2}cos(2\pi x)+\frac{7}{2}\)にx=1を代入すると4になることが分かります。
このことを踏まえてグラフを新たに付け足してみましょう。
そろそろ何かの形が見えてきたのではないでしょうか?
ここで定義域に従ってグラフの不必要なところを取り除いてみますね。
解説終了です!お疲れさまでした!
講評
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見事に富士山の形が出来上がりました!
さすが静岡県の入試!と言わんばかりな問題ですね,,,
実際の富士山と見比べてみましょう。
こうしてみると、かなり似ていますね笑
この問題を考えた出題者と話してみたいくらいです笑
しかし、この問題、笑いありだけでなく非常に良問で、グラフの書き方を今回3つのstepで分けたように3パターンで考えないといけないため、グラフ問題の復習にもつながり、入試対策問題としてもつかえます。
さらに、実はこの問題は大門の(1)で実際は(2)で書いたグラフから面積を求める問題も出題されています。是非興味のある方は調べて解いてみてください!(^^)!
今回この問題を解いてみて、少しでも数学に興味持ったよって方は今後も数学が楽しめるような記事をどんどん増やしていくのでぜひお楽しみください!(^^)!
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